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愛蛇
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日本蛇舅母Takydromus tachydromoides





本日は、日本固有種シリーズでお届けします。
我々は、見慣れすぎていると、いざそれを思い出して絵を描け!と言われたときに描けなかったりするのです。
風の名前だけで2000種類もあるような国において、本種も例外では無く、ペロちゃん、カガミッチョ・カガメッチョ・カナゲッチョ・カナチョロ・カナメッチョ・カナンチョ・カネチョロ・カマゲッチョ・カラメッチョ・チョロカゲ・トカゲ・カランキョ等の摩訶不思議、奇想天外な呼称が沢山あり、それだけその地域の人々に親しまれていると言う事になる。
語源は不明とされているが、私の記憶が正しければ、平安時代頃に、可愛い蛇のようなトカゲと言う意味を込めて愛蛇と呼ばれていたと言う説がある。
これが転じて・・・となったとされてはいる。
読み方は現代と同じで、決してアイヘビでも、アイジャでも、アイダでも、アイーダでもない。
尻尾が長い上に、立体活動が巧みで、すばしっこく、草の間をヘビのように疾走していく様がヘビっぽいのだろうか。
ちなみに、ヘビではない。
トカゲの仲間である。

ところで、本種は、非常に珍しいトカゲで、日本の一部地域にしか生息せず、それゆえ絶滅が懸念されており、レッドデーターブックにも記載されている珍種なのでございます。
と、言ったら、果たしてどれだけの人間が密猟しようと考えるんでしょうかね。
このトカゲを知ってる人ならば、にやっとしてしまうでしょう。
そして、思わず突っ込みのコメントを入れるか、呆れてブラウザを閉じてしまうかもしれない。
知ってる人はほくそえんでください。
知らない人は、今すぐ学名で検索しましょう。

このトカゲ、シロマダラは勿論、冬眠中にワラジムシに食べられたり、オオカマキリやチョウセンカマキリ、ハラビロカマキリ等の餌食になってしまったりと、自然界においては結構弱いらしく、冬眠させても冬眠から目を覚まさなかったりなんて事もある。
私にとっては、隣人のような存在でありながら、非常に癖のある生き物だと考えている。
特に、ベビー時は非力で、軟弱、単食で昆虫を与えていると栄養障害を起こし健康を害してしまうと言う事例もある。
本種のベビーの場合、あらゆる口に入る昆虫を与えるのが望ましかろうと思われる。
非常に協調性のあるトカゲであり、複数飼育をすることも出来る。

また、立体活動が得意ゆえに、壁を登らないニホントカゲより生息環境に適応しやすく、生息地においては、昆虫さえ居れば生息できるという高い環境順応能力を持つ。
しかし、環境に敏感な面もあるようで、土が割りと湿り気を帯び、昆虫が豊富で、鬱蒼としている草むらを好み、風通しの良い乾燥しきった、明らかに餌の無いような場所には生息しない。
しかし、瓦礫だらけでも昆虫や節足動物が豊富なら別で、そこに住み着くことはある。
条件が揃わない環境では、さっさと居なくなる、もしくは数を減らすため、東京のような大都心や開発が進み始め空き地が潰され始めたような環境だと見れなくなる。

本種の仲間は沖縄のほうにも、それはそれは綺麗な種類が存在し、物凄い人気を誇っているが、本種に限っては馴染み深すぎるためか、餌用として売られたりすることが多い。

そう、本種は、あの空き地のマスコットこと、ニホンカナヘビに他ならない。
私が初めて飼育した爬虫類は、本種なのですよ。
そして、レア種だとか、保護種だとか、その件は嘘です。
すみません(笑)
ありふれた一般種です。
馬鹿にされるけど、本種は、その飼育の難易さもあって、試金石とも呼べる。
ほんと、これが完璧に変えたら大抵のトカゲは上手くいきそうだね。
外国産の、少し大きなトカゲの方が絶対飼育は楽だと思うのは、私だけではないはず。
by orientalis | 2010-09-02 10:34
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