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ガマと言う生き物
サツマヒキガエル(ニホンヒキガエル)Bufo japonicus japonicus Temminck & Schlegel, 1838
アズマヒキガエルBufo japonicus formosus Boulenger, 1883
ナガレヒキガエルBufo torrenticora
ミヤコヒキガエルBufo gargarizans miyakonis
移入種としてオオヒキガエルBufo marinus

日本にいるヒキガエルは全五種。
ちなみに、エゾヒキガエルBufo vulgaris hokaidoensisは同種と言う見方が一応一般的だそうだ。
これは学名云々と言うよりも個人的なメモとして書いてみた。

さて、四六のガマ(しろくのがま)とは、前足が4本指、後足が6本指のニホンヒキガエル(ガマ)を指す様だ。
あれは、ニホンヒキガエルだったのか、ニホンヒキガエルは関西方面に分布するヒキガエル、人為的に都内に分布しているけれど、江戸時代辺りから分布していたのだろうか?
この呼び名はそもそも、有名すぎる、筑波のガマの油売りの謳い文句の中で、このガマの持つ特徴をあたかも筑波山のヒキガエルだけの特徴のように言ったものであって、、筑波山麓永井村の兵助という者が江戸商売に出た処、その売り文句が人気を呼び、それを題材にしたガマ口上という舞台芸能が生まれた。
人気は人気を呼び、あれよあれよと言うまに、民俗娯楽芸能となって伝承。現在は民俗文化芸能として保存会も出来ているようだ。落語の題材としても有名とか。
蛇に睨ませて、ガマがタラリタラリと冷や汗ならぬ冷毒?(笑)を流し、それこそガマ油であり、切り傷、打ち身等あらゆる物に効くという、演武か何かで自らの腕を日本刀で軽く切って血を流し、ガマ油を塗るというのがあったような・・・・。
小さい頃、傷が付くたびに何故か、何処からかガマ油が出され、傷口に塗っていた私。
ドラゴンボールか何かのように、しゅぅぅぅ!と傷が治るなんて事は一度も無かった。

さて、ニホンヒキガエルも基本的には前足後足ともに五本指だが、前足の第一指(親指)には、痕跡的な骨があるだけでパッと見は四本あるかのようだ。また後足では、第一指のそばに番外指と呼ばれるこれも内部に骨のある瘤(こぶ)があり、六本指に見える。
そういう訳だから、別に筑波山のガマに特殊な力がある訳ではないと言う事だ。

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そうそう、ヒキガエルの寿命は、メスで約8年、オスで11年らしい。
そして、このカエル、一生の殆どを寝る・食うと言う事だけに費やし、それ以外は冬眠、繁殖と言った行動だけに使うようだ。
彼らは日が暮れると、寝床から出てくるが、基本的には寝床周辺を徘徊して食事を済ませ、真夜中になる前にねぐらに帰り寝てしまう。
移動距離にしても、寝床周辺と言うナマケモノ(苦笑)多分、遠出するのは繁殖する時位だろうか?
彼らは三年で性成熟をするようで、それまでは基本的に寝ることと食うことのみと言う事になる。
ササラダニやトビムシ、ワラジムシ等を食べ、小さなベビーも一ヶ月で三倍近くに成長し、一年でやっとこさ6㎝・・・凄い成長スピードではあるが、上陸したベビーが小さい、小さすぎるので、それ程凄くなかったりする(笑)
そんな感じで彼らは、餌をちまちま食べながら生存競争、弱肉強食を勝ち抜いていく。
一回に少量、それで、次に餌を食べに出てくるのが20日後なんて事もあるそうで、多分、それ程代謝が早くないのだろう。
控えめな給餌を心がけたい・・・捕まえた、こいつは大きな餌でも食べたのか捕まえた時、プニプニの肥満児だったが(笑)
その採食行動にしても、動かないギネス記録?で一晩で15センチしか動かない横着物も居るらしい。
まぁ、でも、私は、結構で歩く個体は居ると思っている。なんていったって調べつくした岩山から一匹のアズマヒキガエルを捕まえたのに、その次に行った時には新参者がちゃっかり居ついていたなんて事もあったからね。
一年間で餌取りに費やす時間が合計約24~72時間なんてデータも存在するらしい。
冬眠前に、頑張って餌を食べて脂肪を貯めようともしなければ、冬眠中でさえ土ではなく、雪に埋もれて・・・・なんて事もやってのける。それで居て死なない・・・・まさに最強だ。
氷の中で越冬する、どこぞのカエルみたいではないか。
好い加減な冬眠でも九割は生きているらしいよ。

日本にカエルは多く居るけど、抜きん出て民謡だとかに登場する率が多い。
カエル合戦だって、ヒキガエルの為にあるような言葉では?産卵にエネルギーを使い果たし、寿命で死んだり、溺死(ヒキガエルは皮膚呼吸が下手らしい)したり、鯉に抱きついて殺してしまったりと、想像を絶するカエル合戦・・・・一度見てみたいが、未だにタイミングが合わない。会場は知っているんだけどね(入れないかな)

さて、ぶっちゃけ、他のカエルなんて鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)が書いたらしい(本当は違うらしい)日本最古の漫画「鳥獣戯画」(ちょうじゅうぎが)位じゃないかと私は思うんだ。

何故、ここまで民俗の題材に取り上げられるのだろうか?
やっぱり、毒か?ヒキガエルにはブフォトキシンと言う猛毒がある。
ちなみに、毒名に冠するブフォって言うのはヒキガエルの属名で、そこに因んでいる(Bufo属)。トキシンは毒を意味している。
同じ理由で、フグ毒であるテトロドトキシンもそういう意味。

この毒のお陰で、ヒキガエルを食べる動物と言えば皆無で、ヤマカガシと言う蛇くらいだろう。
この蛇には、ヒキガエルの毒に耐える事が出来て、さらには、ヒキガエルの毒を体内に溜め込み、自分の毒とするようだ。
首の頸線から毒が滲み出る(飛ばして結膜・角膜の出血及び失明させるらしい)が、それはヒキガエルの毒を溜め込んだ物だと言う。
れったんは、非常に怯えていたが、ヒキガエルの首筋から毒こそ出ても、飼育していたり、掴んだりしても基本的に出ない。
相当虐めないと多分出さないと思われる。
で、話を戻せば、そういう所も含めて、人家に住み着き、一番目に付いて、それなりにキャラクター性もある、ヒキガエルが人の心をわしづかみにして言ったんじゃないかな(ちょっと変か)
毒(主成分のブフォテニン、ブフォタリンは粘膜に作用し接触性皮膚炎を起こす)はステロイド系の猛毒で口に入れば幻覚作用もあるようだしね。
ちなみに、吐き気や全身の軽い痺れなども起こし、目などに入るとしみて、目もあけられないほどらしい。
トリップする奴も居たとかいないとか。
そんな所も妖術だ幻術だと言う話と密接な関係があるんだろうし、忍者とのつながりも持ち上がってくるわけか。


参考文献


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by orientalis | 2009-07-21 23:18 | Monolog
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